夕方になるとあくびが出てきたり、会議中にまぶたが重くなったり。「どうしてこんなに眠いの?」と思うことはありませんか。眠くなるのにはきちんと理由があります。体のリズム、脳の働き、心の状態――そのどれもが「眠気」に関係しています。眠くなる仕組みを知ると、自分の体とのつきあい方も変わってくるかもしれません。
体内時計が眠気を作り出している

メラトニンと光の関係
眠くなる原因のひとつに、脳内ホルモン「メラトニン」の分泌があります。メラトニンは、暗くなると自然に分泌されはじめ、体に「そろそろ眠る時間だよ」と合図を出します。逆に朝に光を浴びると分泌が止まり、目が覚めやすくなる仕組みです。夜にスマートフォンを見続けると眠れなくなるのは、このリズムが乱れるからです。
サーカディアンリズムの影響
体内には「サーカディアンリズム」と呼ばれる24時間周期の生体リズムがあります。これは体温やホルモン分泌、消化の働きなどをコントロールしていて、眠気もこのリズムによって自然に訪れます。昼過ぎに眠くなるのも、このリズムによる一時的な波と考えられています。
脳の疲労が眠気を引き起こす

脳は一日中働きっぱなし
起きている間、脳はずっと情報を処理し続けています。考える、判断する、感情をおさえる――どれも脳の仕事です。使えば使うほど疲れていき、脳は「少し休ませて」と信号を出します。それが眠気となってあらわれます。
アデノシンという物質の役割
脳内には「アデノシン」という物質があり、これが溜まっていくことで眠気が強くなります。アデノシンは覚醒状態を抑える作用があり、コーヒーに含まれるカフェインはこのアデノシンの働きをブロックすることで、一時的に眠気を抑えています。
心の状態も眠気に影響している

不安やストレスで眠くなることも
緊張が続いたり、心配事があると体が無意識にエネルギーを節約しようとして、眠気が出ることがあります。心が疲れているサインとしての眠気もあるので、「眠い=だらけてる」とは限りません。
安心感が眠気を誘うとき
逆に、安心しているときにも眠気はあらわれます。リラックスしてホッとした瞬間、たとえば映画館や電車の中などでウトウトするのは、心が緊張から解放された証拠です。眠気は体だけでなく、心からのメッセージでもあるのです。
睡眠不足が眠気を引き起こす悪循環

慢性的な寝不足と日中の眠気
最近は、睡眠時間が6時間未満という人も珍しくありません。しかし睡眠が足りていないと、日中もボーッとして集中できず、効率も下がってしまいます。眠気が抜けず、だるさが続くのは慢性睡眠不足のサインかもしれません。
寝だめや仮眠でリズムが崩れる
休日に寝だめをして、かえって夜眠れなくなるという経験はありませんか。睡眠のリズムが乱れると、余計に日中の眠気が強くなります。短時間の仮眠は有効ですが、長く眠るとリズムが崩れてしまいます。
眠気と向き合う方法を見つける

無理にがまんしないことも大事
どうしても眠くて集中できないときは、短い仮眠や休憩を取り入れるのが効果的です。無理に我慢すると、かえって脳の働きが鈍り、逆効果になります。仕事や勉強の合間に5〜15分の仮眠をとるのも良い方法です。
眠気をバロメーターにする
「今眠い」という感覚は、自分の心と体からのサインです。やる気が出ない、注意力が落ちているときは、一度立ち止まってみると、生活リズムの見直しにつながることもあります。眠気と上手につきあうことは、より良い日々を過ごす鍵になります。




コメント