6月の第3日曜日は父の日です。でも「母の日ほど注目されていない」と感じたことはありませんか?
家族のなかの“父親”という存在は、ときに寡黙で、つい後回しにされがちです。しかし思い返すと、あの背中や沈黙にはたくさんの“無言の支え”がありました。
父の日に改めて、言葉にしにくい感謝とともに、“名もなき役割”を見つめ直してみましょう。
父の日が目立ちにくいのはなぜ?

「父の日 プレゼント」の
検索はされていても…
「母の日 プレゼント」に比べて、「父の日 プレゼント」や「父の日 何する」などの検索数は多く見られます。
これは、父の日に対して“何をしたらいいか分からない”という迷いが多くの人にあるからかもしれません。
気にはしていても、話題にするタイミングが見つからず、いつの間にかカレンダーの片隅に追いやられている――
そんな印象を受ける方も少なくないのではないでしょうか。
父親は“見えにくい存在”?
この差は、単なる注目度の違いだけでなく、「父親という存在の見えにくさ」が背景にあるのかもしれません。
これまでは、母親が「家事」や「育児」など目に見える役割を担うことが多く、感謝の対象とされやすかった一方で、父親は「働く」「背中で語る」といった無言の役割を担ってきました。
その存在感は、なかなか気づかれにくく、感謝の言葉をかけるきっかけも少なくなりがちです。
父親が担ってきた“名もなき役割”

無言の支えに、名前はない
多くの父親は、言葉にせず家族を守ってきました。
「朝早く家を出て夜遅く帰る」「叱る役を引き受ける」「自分のことを後回しにする」――
そうした行動ひとつひとつには特別な名前はありませんが、どれもが家族を想う意思の表れです。
感謝されにくいという“宿命”
感謝の気持ちはあっても、「お父さん、ありがとう」と口にするのは照れくさいものです。
それは、父親自身が言葉で愛情を表すのが得意ではなかったからかもしれません。
無口で不器用な世代の父たちは、沈黙の中にたくさんの思いを込めてきたのです。
背中が語っていたこと

ふとした仕草に宿る思い出
言葉は少なくとも、父の背中から感じ取ったことがあるのではないでしょうか。
重たいものを持ってくれたとき、黙って送り迎えをしてくれたとき、自分よりも先に家族のことを考えてくれたとき――
そんな場面が、記憶の中に静かに残っているはずです。
父親の姿も変わりつつある

家事や育児に関わる“新しい父親像”
最近では、家事や育児に積極的な父親が増えてきました。
子どもと遊ぶ、料理をする、話を聞く――
これまで“父親らしい”とされてこなかった役割も、自然なこととして受け入れられてきています。
大切なのは「形」より「思い」
父親の役割に“こうあるべき”という決まりはありません。
家庭ごとに違って当然であり、どんな姿にも家族を思う気持ちが込められているのです。
役割の形にこだわるより、その奥にある「思い」を見つめたいものです。
「ありがとう」が言えないなら、思い出してみる

言葉が出てこなくても大丈夫
感謝の言葉を伝えるのが苦手なら、まずは思い出すことから始めてみませんか?
一緒に行った公園、運動会での声援、買ってくれたお菓子、黙って見守ってくれた時間。
ひとつひとつの記憶が、父とのつながりを思い出させてくれるはずです。
「ありがとう」は言葉じゃなくても届く

そばにいること、それだけでも十分
父の日は、完璧な言葉を探す日ではありません。
無理に言葉にしなくても、手紙でも、昔話でも、ただ一緒に食事をするだけでも構わないのです。
感謝の思いがあれば、それは必ず伝わります。
今年は、手紙を書いてみませんか
口に出すのは照れくさくても、文字なら伝えられることがあります。
短くても、不器用でも大丈夫です。
「ありがとう」「お疲れさま」「いつも見守ってくれているね」――
言葉にならなかった思いも、きっと届くはずです。
今年の父の日、感謝の気持ちを手紙に託してみてはいかがでしょうか。




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