家族と終活を話し合う日―春・秋の彼岸入りをきっかけに

春や秋のお彼岸は、家族が集まりやすい貴重なタイミングです。そんな時期に「終活」について話し合う機会を持つことは、ごく自然な流れかもしれません。「家族と終活を話し合う日」として記念日に登録された彼岸入りの日には、未来を見据えて、大切な人たちと心を通わせてみませんか。

人生を振り返り、前向きに
生きるための準備

終活（しゅうかつ）は、自分の最期を見据えて行う準備全般のことです。遺言書の作成や財産の整理、葬儀の希望をまとめるなどの実務的な準備だけでなく、自分の人生を振り返り、今をどう生きるかを考える前向きな行動でもあります。

終活は自分と向き合う時間

「死を考えるなんて縁起でもない」と感じる人もいますが、実際には終活を通じて自分の価値観を再確認し、心を整理することで、日々をより豊かに過ごせるようになったという声も多く聞かれます。

彼岸の持つ意味とは

春分・秋分の日を中心とした1週間を「彼岸」と呼び、故人や先祖を敬う大切な期間とされています。お墓参りや法要など、家族が自然と集まるこの時期には、命のつながりや家族のあり方に思いを馳せる人も多くなります。

自然な会話として終活の
話題を取り入れやすい

「終活の話を切り出すタイミングがわからない」と悩む方も少なくありません。しかし、彼岸のように命や家族を考える習慣がある時期なら、終活についても抵抗なく話し始めやすくなります。

年に2回の家族の対話のきっかけ

「家族と終活を話し合う日」は、春と秋の彼岸入りの日に定められた記念日です。自然と家族が集まりやすいこの日を、終活の話を始めるチャンスとして活用することで、無理なく家族全員で取り組めるようになります。

2025年の「彼岸入り」日程

• 春の彼岸入り：2025年3月17日（月）
• 秋の彼岸入り：2025年9月20日（土）

この日に合わせて、まずは軽い気持ちで家族と未来の話をすることから始めてみましょう。

自分の意思を明確にする

最初に取り組みたいのは、「自分がどう生き、どう最期を迎えたいか」を整理することです。エンディングノートなどを使えば、思いを形にしやすくなります。

遺言書の作成で意志を伝える

相続や財産の分配で家族に迷惑をかけないよう、遺言書を準備しておくのは非常に有効です。特に公正証書遺言は、法的な効力もあり安心です。

財産や契約の一覧化

銀行口座や不動産、保険、年金、各種サブスクリプションなどの情報を一覧化しておくことで、家族が手続きに困らずに済みます。

医療・介護の希望を明確にする

延命治療の可否や、希望する介護の方法についても事前に話し合っておくと、いざというとき家族が迷わずに判断できます。

負担を分け合うことができる

一人で準備するより、家族と共有しながら進めた方が負担も軽く、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。

お互いの価値観を理解し合える

終活の話を通じて、家族それぞれの考え方や価値観を知ることができ、信頼や理解が深まります。

話し合うことが「生き方
を考える時間」になる

終活は、亡くなった後の話ではなく、「今どう生きたいか」を考えるきっかけにもなります。家族全員で考えることに意味があります。

家族の安心感につながる

自分の希望を家族に伝えておくことで、残された家族は迷いや後悔を減らし、安心して最期を見送ることができます。

心の整理がつき、前向きになれる

終活を進めるうちに、自分の生き方を見直したり、後悔や未練を手放すことができるなど、気持ちの面でも落ち着きを得られる場合があります。

毎年の彼岸を「終活チェックの日」に

年に2回、彼岸入りをきっかけに、終活の進捗を確認する日と決めておけば、負担なく少しずつ準備を進められます。

会話のきっかけから絆が深まる

普段は照れくさい話も、年中行事のように定着すれば自然と受け入れられやすくなります。心を通わせる時間が、家族の絆をさらに深めてくれるはずです。