「健康」は一朝一夕で得られるものではなく、日々の積み重ねによって守られていくものです。4月7日の「世界保健デー」は、私たち一人ひとりが心と体の状態を見つめ直し、健康への意識を高めるきっかけとなる国際的な記念日です。
2025年のテーマは「健やかなはじまり、希望のある未来へ」。未来の自分のために、今日できることを一つ始めてみませんか。
世界保健デーのはじまりと意義

WHOが定めた健康啓発の日
世界保健デー(World Health Day)は、1948年4月7日の世界保健機関(WHO)設立を記念して制定され、1950年から毎年実施されています。この日は、世界中で健康への意識を高め、生活習慣の見直しや公衆衛生の改善を促す日とされています。
テーマに込められた意味と背景

毎年異なるテーマで
健康課題にアプローチ
世界保健デーでは、毎年異なるテーマが発表されます。これまでには「心臓病予防」「メンタルヘルス」「糖尿病対策」「高齢化と健康」などが掲げられてきました。その年のテーマに沿って、世界中で講演・キャンペーン・健康教育などの活動が行われています。
2025年のテーマ「Healthy beginnings, hopeful future(健やかなはじまり、希望のある未来へ)」は、人生のスタート段階から健康に向き合う大切さを伝えるものです。
医療のシンボルに込められた意味

WHOの紋章とアスクレピオスの杖
世界保健機関(WHO)の紋章には、国連のシンボルとともに「蛇が巻きついた杖」が描かれています。これは古代ギリシャの医神・アスクレピオスに由来するもので、医療・治癒の象徴とされています。
なぜ蛇が医療の象徴に?
いくつかの理由がありますが、代表的なものは以下の通りです。
• 脱皮による再生の象徴
蛇は脱皮を繰り返して成長することから、再生や回復のイメージに結びつけられました。
• 毒と薬の両面を持つ存在
古代では蛇の毒が薬としても使われ、強い治癒力の象徴として信じられていました。
• 神殿での治療儀式
アスクレピオス神殿では、患者が一晩を過ごして夢に蛇が現れると病が癒えると信じられていたそうです。
このような背景から、現在でも多くの医療機関で蛇のモチーフがシンボルとして使われています。
「生命の星」スター・オブ・ライフとは

救急医療を象徴する国際シンボル
「スター・オブ・ライフ(生命の星)」は、救急医療の国際的なシンボルです。青い6本線の中央には、アスクレピオスの杖が描かれており、迅速な対応・連携・治療・支援といった救急活動の柱を象徴しています。
日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、国際的な医療現場では重要なシンボルとして活用されています。
健康寿命という考え方

長生きよりも「健康に生きる」
時間を伸ばす
2000年、WHOが「健康寿命」という概念を提唱しました。これは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく過ごせる期間」のことです。
食生活や運動、睡眠、ストレス管理、健康診断などを日常の中で意識することで、健康寿命を延ばし、心も体も元気な毎日を目指すことができます。
日本でも「健康デー」として定着

4月7日は日本でも健康を考える日
日本でも4月7日は「健康デー」とされており、誰もが自身の健康と向き合う日として位置づけられています。病気の有無に関係なく、全ての人の健康を願い、暮らしの中に小さな行動を取り入れることが重視されています。
ウォーキングを始める、野菜を一品増やす、夜更かしをやめるなど、小さな変化が自分自身の健康を守る第一歩になります。
世界保健デーを暮らしに生かすには

健康意識の向上が第一歩
世界保健デーは、単なる記念日ではなく、自分の暮らしを見直す大切なきっかけになります。心身のバランスを整えることが、病気の予防や健康維持につながります。
できることから始める健康習慣
• 運動の習慣を見直す
ウォーキングやストレッチなど、無理のない運動を日常に取り入れるだけでも、心身の健康を支える力になります。
• 食生活の見直し
野菜・果物・タンパク質をバランスよく取り入れた食事を意識しましょう。コンビニや外食でも「選び方」で改善できます。
• ストレスをためない工夫を
趣味に没頭する時間やリラックスできる環境作りも大切です。心の健康が体の健康にもつながります。
毎年が「はじまり」のチャンス

テーマが毎年変わる世界保健デーだからこそ、その年のメッセージをヒントに、自分の生活に合った健康習慣を見つけることができます。「今年は自分の心を整えることを大切にしよう」「今こそ運動を習慣化してみよう」といった一歩が、未来の自分を守る力になります。




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