認知症を予防するためには、脳に良い栄養と、毎日の生活習慣がとても大切です。なかでも、口の健康は見落とされがちですが、歯周病が脳の機能に影響を与えることがわかってきました。歯と脳の両方を守るためには、日々のケアと食事の工夫が必要です。今回は、脳を活性化させるおすすめの食材と、歯周病予防のためのシンプルな習慣を確認してみましょう。

歯と脳のつながりを知っていますか？

歯周病が脳に影響する理由

歯周病が進行すると、歯茎に炎症が起き、そこから細菌が血流に乗って全身を巡ります。中でも「ポルフィロモナス・ジンジバリス」という歯周病菌は、脳に到達するとアミロイドベータというたんぱく質を増やすとされており、これがアルツハイマー型認知症の原因の一つと考えられています。

歯のケアだけでは不十分

毎日の歯磨きやフロス、定期的な歯科受診はもちろん欠かせません。しかし、それだけではなく、体の内側から脳と歯を守ることも大切です。そこで注目したいのが、脳の働きを助ける食べ物です。

脳を元気に保つ10の食材

以下の10品は、脳を活発にし、認知症のリスクを減らすために効果的な食品です。これらを食事に取り入れることで、脳と歯の健康を守り、健やかな生活を維持できます。

青魚（サバ、サンマ、イワシなど）

青魚に豊富に含まれるDHA（ドコサヘキサエン酸）は、脳の機能を活性化させ、認知症の予防に効果的です。心血管の健康にも良い影響を与えます。

ナッツ類（アーモンド、くるみなど）

ナッツに含まれるビタミンEは抗酸化作用があり、脳の老化を防ぐと言われています。特に、くるみはDHAも含まれており、脳の健康をサポートします。

ブルーベリー

ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、抗酸化作用が強く、脳の記憶力や認知機能を改善する効果があります。

ダークチョコレート

カカオポリフェノールが豊富なダークチョコレートは、脳の血流を改善し、認知機能の向上に貢献します。

緑黄色野菜（ほうれん草、
ケール、ブロッコリーなど）

緑黄色野菜に含まれるビタミンCやビタミンKは、脳の健康に不可欠な栄養素です。特にブロッコリーは、抗酸化作用もあり、脳の老化を防ぎます。

たまご

卵に含まれるコリンは、記憶力や学習能力をサポートします。コリンは脳内で神経伝達物質アセチルコリンを作る材料となり、認知機能を向上させます。

アボカド

アボカドに含まれる不飽和脂肪酸は、脳の細胞膜を構成する重要な成分であり、脳の機能をサポートします。

トマト

トマトに含まれるリコピンは強力な抗酸化作用を持ち、脳を活性化する働きがあります。

カボチャ

カボチャにはビタミンAが豊富に含まれており、視力だけでなく、脳の健康にも寄与します。ビタミンAは脳細胞の再生を助けます。

オリーブオイル

オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、脳を保護する働きがあり、脳内の炎症を軽減します。

これらの食品をバランスよく取り入れ、脳の健康をサポートしましょう。また、食事と合わせて、歯の健康も維持することが重要です。

食べ物だけじゃない！歯と脳を守る生活習慣

毎日の口腔ケアを丁寧に

歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを活用して、歯と歯のすき間まできれいにしましょう。夜は特に丁寧なケアが必要です。

定期的な歯科受診

自覚症状がなくても、3〜6ヶ月ごとに歯科医院でチェックを受けましょう。早期発見・早期治療がカギです。

禁煙とストレスケア

タバコは歯茎の血流を悪化させ、歯周病を進行させます。また、強いストレスも免疫力を下げて歯と脳に影響します。リラックスの時間を意識しましょう。

食事とケアを一緒に取り入れる習慣を

脳の健康と歯の健康は、どちらも毎日のちょっとした積み重ねで守ることができます。意識して食材を選び、口の中の清潔を保つことが、認知症の予防につながります。今の時代、自分自身でできる小さな工夫が、将来の大きな安心につながるのです。