災害が起きたとき、私たちは一瞬の判断で命を守らなければならない場面に直面します。「おかしもち」は、そんな緊急時にどう行動すればいいのかを教えてくれる大切な合言葉です。ただし、それは非常時だけの知識ではありません。日々の暮らしに取り入れることで、心にゆとりを生み、人との関わりもより良いものに変わっていきます。

お：「押さない」がもたらす冷静さと信頼

焦りが生む混乱を防ぐために

避難が必要なとき、パニックになりそうな場面では「押さない」という意識がとても大切です。焦って周囲を押しのければ、自分も他の人も危険にさらされます。まずは深呼吸して、冷静に状況を判断しましょう。

日常でも役立つ
「落ち着いて行動する力」

日常生活でも、無理に物事を進めようとすることで思わぬ失敗を招くことがあります。落ち着いて物事を進める姿勢は、人からの信頼にもつながります。余裕のある態度が、良好な人間関係や仕事の円滑さにも影響します。

か：「駆けない」は安全と心の余裕につながる

災害時に落ち着いた行動を

災害時に慌てて走ると転倒や衝突のリスクが高まります。特に人が多く集まる場所では、誰か一人が走り出すことで混乱が広がる可能性もあります。「駆けない」という行動は、自分自身だけでなく周囲の人々の安全も守ることになります。

急がずに進むことで得られる安心感

今の時代はスピードが求められる場面も多いですが、急がず一歩ずつ進むことが心の余裕をつくり、生活の質を高めてくれます。

し：「喋らない」は冷静な判断を支える

必要な言葉だけを選ぶ意識

避難時や混雑した場所では、必要以上の会話が混乱のもとになることがあります。「喋らない」は、沈黙というよりも“必要な情報だけを的確に伝える”という意味です。冷静な判断と、周囲との円滑な連携を助けてくれます。

言葉の質を意識する日常

普段の生活でも、無駄な言葉を減らすことで本当に伝えたいことが見えてくるものです。会話の質が高まれば、信頼関係も自然と深まっていきます。

も：「戻らない」ことで前進できる

命を守るために立ち止まらない選択

避難の途中で忘れ物に気づいたとき、つい引き返したくなるかもしれません。しかし、その行動が命を危険にさらすこともあります。「戻らない」と決めることは、安全な行動を貫くための強い意思です。

やり遂げる力が自信になる

日常でも、一度決めたことを途中でやめたり、迷ったりすることは誰にでもあります。ですが、やり遂げる経験は自己肯定感を育て、自信につながります。

ち：「近づかない」は自分を守る選択

興味よりも命を優先する判断

地震や火災の際、倒壊しそうな建物や火の手の近くに興味本位で近づくことは非常に危険です。「近づかない」は、自分の命を守るための最も基本的で大切な行動です。

心の安全距離も意識する

人間関係や仕事の場面でも、明らかにストレスや不安のもとになる場所からは距離を置くという判断が、自分自身を守る手段になります。無理をしないという選択も、大切な「強さ」のひとつです。

心がけひとつで、日常も穏やかに変わる

「おかしもち」は、防災のためだけの合言葉ではありません。普段の行動に少し取り入れるだけで、心が整い、人との関係もスムーズになっていきます。日々の暮らしの中で、焦らず、急がず、冷静に、自分と周囲を大切にする姿勢が、自分自身を守り、豊かな毎日を育んでくれます。