6月といえば、どんよりとした曇り空が続き、湿度の高さに体も心も疲れやすい季節です。しかし、今年は晴れ間の多い梅雨となり、「あれ、梅雨はどこへ？」と感じた方もきっと多いことでしょう。
それでも、急な雨や寒暖差で体調がゆらぎやすいのは同じこと。
気温差や気圧の乱れによって、目には見えない疲労がじわじわと蓄積される――そんな時期だからこそ、晴れの日であっても、いつもより少しだけ、自分にやさしくしてあげる時間が必要です。

湿気が心にも忍び寄る季節に

気象のゆらぎがもたらす“見えない疲れ”

いわゆる「梅雨だる」と呼ばれる不調は、湿度や気圧の変化、日照不足が原因で自律神経が乱れ、心身がだるく感じる状態を指します。
近年では「気象病」や「天気痛」といった言葉も浸透しつつあり、天気と体調の関係に注目が集まっています。

今年のように晴れ間が多くても、突然の雷雨や激しい気温差は、知らず知らずのうちに身体へ負担をかけています。
「なんだか調子が出ないな」と感じたときは、自分を責めるのではなく、「この季節のせいかもしれない」と気づくことも、立派なセルフケアのひとつです。

雨音と香りに包まれる、感覚をゆるめる時間

雨のリズムに心をあずけて

ふと降り出す雨の音には、不思議な安心感があります。
一定のリズムを持つ自然音は「1/fゆらぎ」と呼ばれ、心のリズムと呼吸を整える効果があるとされています。
部屋の静けさの中で耳をすませているだけで、気持ちが穏やかになるのを感じるでしょう。

アロマの力で気分をリセット

雨音に包まれながら、アロマの香りをプラスするのもおすすめです。
ラベンダー、ゼラニウム、ベルガモットなどは、緊張をやわらげ、心を穏やかにしてくれる香りです。
お気に入りの香りを部屋に満たすだけで、いつもの空間が少し特別な場所になります。

湯気のぬくもりで、体の内側からほぐす

やさしい飲みものと呼吸をともに

少し肌寒く感じる日には、温かい飲み物が身体を内側からほっとさせてくれます。
ハーブティー、ほうじ茶、甘酒など、やさしい味の飲み物は、自然と呼吸を深くし、心まで落ち着かせてくれます。

季節の変わり目には、体にやさしい温もりを届けてあげることも、立派なセルフケアとなります。

心の中を旅する、家の中の小さな冒険

ページの向こう側へ
― 読書の時間を持つ

急な雨に外出の予定がくずれてしまった日。
そんな日は、あえて何もせず、本の世界に浸ってみませんか？
ページをめくる音、言葉のリズムに心をあずけると、いつの間にか気持ちが整っているのを感じることがあります。

短編集やエッセイ、詩集など軽やかに読める作品は、思いがけない言葉との出会いをもたらしてくれます。

書くことで、自分の気持ちに寄り添う

静かな時間に、ノートを開いてみましょう。
「今日は少し疲れていた」「空がきれいだった」――そんな短い記録でも、自分の感情に気づくきっかけになります。
誰に見せるわけでもない、自分だけの“心の整理”。
雨音をBGMにした書く時間は、心を落ち着かせるセルフケアになります。

何もしないことも、立派なセルフケア

梅雨の季節に必要なのは「休む勇気」

今の時代は、予定をこなすことや成果を出すことが、当たり前のように求められます。
しかし、何もしない時間こそ、心が静かに回復する貴重な時間かもしれません。

「今日は何もせずに過ごそう」と決めて、窓辺に座って、流れる雲をぼんやり眺める。
そんな何気ない時間が、いつの間にか気持ちをやわらかくしてくれます。

季節とともに、自分を調えていく

晴れ間の中に見つける
「揺らぎ」との付き合い方

まだ梅雨明けはしていませんが、今年は晴れの日が多く、例年よりも少し軽やかに過ごせている方もいるかもしれません。
しかし、外が明るくても、心まで晴れやかとは限りません。

だからこそ、どんな天気の日も、自分の心と体に目を向けてあげましょう。
セルフケアとは、特別なことをするのではなく、「今の自分にやさしくする」ことの積み重ねです。

季節のリズムに寄り添いながら、少しずつ、自分自身の調子も整えていけますように――。